Midori Art
聞いたことのないギャラリーから案内状が届いた。 トゥジュ・ビンタン・アート・スペース(Tujuh Bintang Art Space)、「7つ星アートスペース」。案内状にあったサイトを確認したら、こんなにも派手な、ギャラリーってよりはカフェかぃ?ってな写真がある。こんな建物、ぐるぐるジョグジャの街を回ってる私も見たことないなぁ・・・と気になったので、オープニングに行ってみた。 断食月の今、展覧会のオープニングは日没の断食明けに合わせて始まることが多い。普通は午後7時半くらいから始まるところ、今日の展覧会は午後6時、つまり日没に合わせたオープン。私は断食とは無関係だけれど、断食明けならきっとスナック系が用意されているだろうと、弟分のモトを連れて出かけた。 新しいアートスペースは、意外にも私の家から近い場所の、大通りから中に入った場所にあった。入り口に立ってる見たことある顔のオッサンが声をかけてくる。「お~、ミドリ!来てくれたかぃ!」話しながら一生懸命思い出したら、このオッサン、ジョグジャカルタの国立アートセンターで勤めてる人じゃん。どうやらこのオッサンがもう一人の友達と共同で作ったスペースらしい。なるほど、少々センスが悪いのは、オッサン趣味だったんだな・・・ 今日の展覧会がこのスペース始まって2つめの展覧会だそうで、私が通ったISI(国立芸術学院)の卒業生3人のグループ展だった。こっちのオープニングは仰々しく入り口でテープカットしてみたり、オーナーの挨拶だのキュレーターの挨拶だのがあってからようやく会場に入れる。 午後6時にイスラム寺院から断食明けのサイレンが鳴って、スナック2種と紅茶をGET、客は絵を見るどころじゃない。一日食べてなかったから、食べるのに必死。そうしてるうちに、今日のオマケ、ジャズバンドの演奏が始まる。 そんなことしてるから、なかなかオープニングの挨拶が始まらない。ってると、今度は夕方の祈りの時間で、さらに寺院からコーランを詠む声が聞こえてきてジャズ演奏も中断。たかがギャラリーの展覧会を見るのに、午後6時に着いて会場に入れたのは午後7時半だった。 オランダ様式の古い家を改装してギャラリーにした空間は、部屋が入り組んでて天井低くて、ちょっと使いにくそう。そこに3人の作品をごっちゃにして展示してるから、余計に見にくい。いったいこのキュレーターはどんなセンスでこういう展示を考えているんだろうか。わからん・・・。 そういえば今日は十五夜。日本だったらススキと餅で月を愛でる夜か。断食明けにGETした菓子は焼き菓子一個と中華風緑豆のあんこ入り餅だった。これ食べてジャズ聴いて、まん丸お月さんを野外で見て、ジョグジャ版十五夜が楽しめた。気づけば展覧会の内容よりも、この餅の美味さに感動の夜だった。